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競争入札

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競争入札

競争入札とは、国や地方公共団体が物品の購入や工事の発注を行う際に、複数の事業者から入札を募り、最も有利な条件を提示した者と契約する調達方式です。

競争入札とは、国や地方公共団体などの公的機関が契約の相手方を選定する際に、複数の事業者から価格やその他の条件を記載した入札書の提出を求め、最も有利な条件を提示した者を落札者として契約を締結する方式です。公共調達における透明性・公正性・経済性を確保するための基本的な仕組みとして、会計法(国の場合)や地方自治法(地方公共団体の場合)に規定されています。

競争入札の種類

競争入札には大きく分けて「一般競争入札」と「指名競争入札」の2種類があります。

一般競争入札は、入札の条件を公告し、参加要件を満たす事業者が誰でも参加できる方式です。会計法第29条の3第1項および地方自治法第234条第2項により、公共調達の原則的な契約方式として位置づけられています。透明性が最も高く、幅広い事業者に参加機会が開かれる点が特徴です。

指名競争入札は、発注者があらかじめ技術力や実績などを勘案して選定した複数の事業者のみを指名し、その中で入札を行う方式です。一般競争入札を実施することが困難な場合に例外的に認められる方式であり、地方自治法施行令第167条に要件が定められています。

このほか、価格だけでなく技術力や品質なども含めて総合的に評価する「総合評価落札方式」も広く採用されています。公共工事や情報システムの調達では、技術提案の内容と価格を総合的に評価することで、コストだけでなく質の確保を目的として取り入れられることが多い方式です。

入札参加資格の取得

中小企業が公共調達に参加するためには、入札参加資格の審査を受けて資格を取得する必要があります。国の機関への参加を希望する場合は「全省庁統一資格」の申請が必要であり、地方公共団体への参加を希望する場合はそれぞれの自治体に別途申請を行います。

審査では、経営状況(財務諸表)、技術力(有資格者数、施工実績等)、実績(類似案件の受注歴)、法令遵守状況(社会保険加入、税金の納付状況など)が評価されます。評価結果によって等級(ランク)が決まり、発注規模に応じた入札案件に参加できます。

入札参加資格の取得においては、健全な財務状況が審査項目の一つです。BSの改善が遅れると格付けに影響することもあるため、財務体質の強化は公共調達への参加という観点からも重要な経営課題です。

中小企業と競争入札

官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)に基づき、国は中小企業向けの契約比率の目標を定め、中小企業の受注機会の確保に努めています。令和5年度の中小企業・小規模事業者向け官公需契約目標は、国等全体の調達額の約55%以上とされています。

各省庁や地方公共団体は、中小企業の入札参加を促進するための分離・分割発注や、共同企業体(JV)方式の活用などの措置を講じています。JV方式を活用すると、単独では参加要件を満たしにくい大型案件にも、複数の中小企業が連合して参加できる機会が生まれます。

入札のリスクと注意点

競争入札に参加する際には、低入札価格(採算を無視した極端に低い価格での入札)のリスクを認識しておく必要があります。公共工事や物品調達では、発注者側が「最低制限価格」や「低入札価格調査基準」を設定し、採算割れが疑われる入札を失格または調査対象とする仕組みが設けられています。

また、落札後の契約では、代金の支払いが検収・納品から一定期間後となることが多く、それまでの運転資金をどう確保するかが実務上の課題となります。大型案件では前払いや中間払いの制度を活用できる場合がありますが、資金繰り計画を事前に立てておくことが重要です。受注後の資金繰りに不安がある場合は、ファクタリングなどの資金調達手段も選択肢として検討できます。

まとめ

競争入札は公共調達の透明性と公正性を確保する基本制度であり、会計法・地方自治法に基づいて運営されます。一般競争入札が原則的な方式であり、指名競争入札や総合評価落札方式は一定の要件のもとで採用されます。中小企業は入札参加資格を取得することで公共調達への参入が可能となり、官公需法に基づく受注機会の確保策も講じられています。参加にあたっては、財務状況の健全性維持と、受注後の資金繰り管理が重要な実務上のポイントです。

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