財務改善ナビ
用語集

ストレスチェック制度

用語集 4分で読める

ストレスチェック制度

ストレスチェック制度とは、労働者の心理的負担を把握し職場環境の改善につなげる労働安全衛生法上の仕組みです。実施義務と流れを解説します。

ストレスチェック制度とは、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を事業者に義務付け、その結果に基づいて労働者への医師面接指導や職場環境の改善を行う仕組みです。2015年12月に施行された改正労働安全衛生法第66条の10に基づいています。

制度の目的と実施義務

ストレスチェック制度の主な目的は、労働者自身のストレスへの気づきを促すこと、ストレスの原因となる職場環境の改善につなげること、そしてメンタルヘルス不調を未然に防止することです。うつ病などの精神障害の労災認定件数が増加する中で、一次予防(発症の予防)に重点を置いた制度として設計されました。

実施義務を負うのは、常時50人以上の労働者を使用する事業場です(労働安全衛生法第66条の10第1項)。常時50人未満の事業場については当分の間は努力義務とされていますが、2025年の法改正により全事業場への義務化が決定しており、今後は規模を問わず対応が必要となります。

ストレスチェックは、毎年1回以上定期的に実施しなければなりません。実施後は、所轄の労働基準監督署に「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を提出する義務があります。

ストレスチェックの実施方法

ストレスチェックの調査票は、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域を含むものとされています(労働安全衛生規則第52条の9)。厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」(57項目版)が広く利用されていますが、3領域を含む独自の調査票を使用することも認められています。

実施者は医師、保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士でなければなりません(同規則第52条の10)。事業者が直接個々の労働者の結果を見ることはできず、実施者を介して結果が取り扱われます。

検査結果は、実施者から労働者本人に直接通知されます。事業者が個人の結果を把握するには、労働者本人の同意が必要です(労働安全衛生法第66条の10第2項)。この情報管理のルールはプライバシー保護の観点から厳格に定められています。

高ストレス者への対応と職場環境改善

ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された労働者が面接指導を希望した場合、事業者は医師による面接指導を実施しなければなりません(同法第66条の10第3項)。面接指導の結果に基づき、事業者は医師の意見を聴取し、必要に応じて就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じる義務があります(同条第5項・第6項)。

また、ストレスチェックの結果を集団ごとに分析し、職場環境の改善に活用することが努力義務として求められています(同法第66条の10第1項、労働安全衛生規則第52条の14)。たとえば、部署別の集団分析結果から特定の部門で高ストレス傾向が認められた場合、業務量の調整や人員配置の見直しなどの対策を検討します。

高ストレス者への面接指導を申し出たこと、またはストレスチェックを受けないことを理由とした不利益取扱いは禁止されています(同法第66条の10第3項後段)。

まとめ

  • ストレスチェック制度は労働安全衛生法に基づく年1回以上の実施義務であり、常時50人以上の事業場が対象(今後は全事業場に拡大予定)
  • 検査結果は労働者本人に直接通知され、事業者が個人結果を把握するには本人同意が必要というプライバシー保護が徹底されている
  • 高ストレス者への面接指導と集団分析に基づく職場環境改善を組み合わせることで、メンタルヘルス不調の予防につなげることが制度の趣旨

関連する記事

用語集の新着記事

用語を実務上の確認事項に置き換える

制度名や会計用語の意味だけでなく、実際に確認する資料と手順を整理します。

確認事項を整理する