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ファクタリング

電子記録債権を資金に変える

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でんさいファクタリングの完全ガイド|電子記録債権との違い・割引と譲渡の使い分け

でんさい(電子記録債権)とファクタリングの違いを実務目線で解説。でんさい割引・でんさい譲渡(譲渡担保)・ファクタリングの3つの資金化手段を比較し、手数料相場・必要書類・適用される業種までまとめました。手形からの移行を検討する法人向けの実務情報。

紙の手形決済は2026年に約束手形の廃止が経済産業省から段階的に推進されており、代替決済手段としての「でんさい(電子記録債権)」の利用が広がっています。手形を受け取った企業が銀行で割り引いて資金化していたように、でんさいも支払期日前に資金化する手段が複数あります。

本記事では、でんさい(電子記録債権)の基本的な仕組みと、でんさいを資金化する3つの方法(でんさい割引・でんさい譲渡・でんさいファクタリング)の違いを整理し、法人がそれぞれを使い分けるための実務情報をまとめました。

でんさいファクタリングの要点

  • でんさい(電子記録債権): 手形を電子化した決済手段。でんさいネットで管理
  • 資金化の3手段: でんさい割引・でんさい譲渡(譲渡担保融資)・でんさいファクタリング
  • でんさいファクタリングの手数料: 買取額の1〜5%が目安。通常の請求書ファクタリングより低い
  • 利用条件: でんさいネット加入金融機関の口座保有
  • 適用業種: 建設業・製造業・卸売業など手形決済が多い業界からの移行が進む

でんさい(電子記録債権)とは

でんさい(正式名称: 電子記録債権)は、株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が運営する、手形を電子化した決済手段です。2008年施行の電子記録債権法に基づいて創設され、現在は全国約500の金融機関が参加するインフラとして機能しています。

紙の手形と比べた利点は以下の通りです。

  • 紛失・盗難リスクがない(電子記録のため)
  • 印紙税が不要
  • 分割譲渡が可能(手形は全額のみ譲渡)
  • 銀行間で電子的に決済されるため事務負担が軽い
  • 期日に自動的に決済される(取立手続きが不要)

経済産業省は約束手形の利用廃止を推進しており、サプライヤー側からも「手形ではなくでんさいで支払ってほしい」という要請が増えています。中小企業庁の調査でも、でんさいへの移行を進める企業が年々増加しています。

でんさいを資金化する3つの手段

でんさいを支払期日前に資金化する手段は、大きく分けて3つあります。それぞれ提供事業者・審査基準・手数料が異なるため、目的に応じて使い分けます。

手段提供事業者仕組み手数料の目安審査スピード
でんさい割引銀行・信用金庫でんさいネット経由の融資相当年利1〜3%(融資扱い)1〜2週間
でんさい譲渡担保融資銀行・信用金庫でんさいを担保とした融資年利2〜4%2〜4週間
でんさいファクタリングファクタリング会社でんさいの買い取り買取額の1〜5%数日〜1週間

でんさい割引

銀行・信用金庫がでんさいネットを通じて行う取引で、実質的には融資扱いになります。償還請求権ありの場合が多く、手形割引と同様に債務者が期日に支払えなければ譲渡人(あなたの会社)が代金を返還する義務があります。

審査基準は銀行融資と同等で、財務内容・取引履歴・信用情報が見られます。手数料(割引料)は年利換算で1〜3%と低めですが、審査に時間がかかります。

でんさい譲渡担保融資

でんさいを担保として銀行から融資を受ける方法です。借入金として処理されるためBSの負債が増えますが、でんさいの満期前に資金化できます。

手数料は年利換算で2〜4%が目安です。割引より柔軟な条件で利用できる場合がありますが、審査は銀行融資基準のため時間がかかります。

でんさいファクタリング

民間のファクタリング会社がでんさいを買い取る取引です。譲渡という法的位置づけで、原則ノンリコース(償還請求権なし)で取引されます。

手数料は買取額の1〜5%と、通常の請求書ファクタリング(2社間10〜20%)より大幅に低い水準です。でんさいは電子記録で支払期日・金額・債務者が確定しているため、ファクタリング会社が引き受けるリスクが小さく、手数料に反映されます。

でんさいファクタリングが選ばれる場面

でんさいファクタリングは、以下のような場面で選ばれます。

銀行のでんさい割引の審査に通らない・時間がない

銀行のでんさい割引は審査が銀行融資基準のため、開業して間もない法人・赤字決算・他行借入が多い法人では審査に通りにくいケースがあります。また審査に1〜2週間かかるため、急ぎの資金需要には対応しきれません。

でんさいファクタリングは民間サービスのため審査スピードが早く、最短で数日以内に資金化できます。

取引先(債務者)が大手企業で信用力が高い

でんさいファクタリングはノンリコース取引が原則のため、ファクタリング会社の審査対象は主に「でんさいの債務者(支払企業)の信用力」になります。取引先が上場企業・大手企業など信用力が高い場合は、譲渡人(あなたの会社)の財務内容に関わらず買い取ってもらえる可能性が高くなります。

BSへの影響を抑えたい

でんさい割引・譲渡担保融資は融資扱いのため借入金として計上されますが、でんさいファクタリングは譲渡扱いのため売掛債権の減少と現金の増加だけで処理され、負債が増えません。BSをスリムに保ちたい中小企業に有効です。

でんさいファクタリングの手数料相場

でんさいファクタリングの手数料は、買取額の1〜5%が目安です。通常の請求書ファクタリング(2社間10〜20%)より大幅に低い理由は、でんさいが電子記録で支払いの確実性が高く、ファクタリング会社の引き受けリスクが小さいためです。

案件規模手数料の目安入金スピード
100万円〜500万円3〜5%3〜5営業日
500万円〜2,000万円2〜4%5〜7営業日
2,000万円〜1〜3%1〜2週間

手数料率は債務者の信用力・支払期日までの残日数・買取額の規模で変動します。取引先がメガバンクの口座を持つ上場企業で、支払期日が1か月以内のでんさいなら、手数料率は1%台に抑えられるケースもあります。手数料の全体像はファクタリング手数料の相場で整理しています。

でんさいファクタリングの申込手順

でんさいファクタリングは、でんさいネットの電子記録上で譲渡手続きを行うため、紙の手形割引より手続きが効率的です。

1

でんさいの保有を確認

自社が保有するでんさいの内容(債務者・金額・支払期日)を、でんさいネットの口座管理画面で確認します。

2

ファクタリング会社へ申込

でんさい対応のファクタリング会社にオンラインまたは対面で申込。買取希望額・支払期日・債務者情報を伝えます。

3

審査・買取条件の提示

債務者の信用力・支払期日までの残日数を中心に審査されます。手数料率・買取額が提示されます。

4

譲渡記録の請求

でんさいネット上で譲渡記録を請求し、ファクタリング会社が譲受人として記録されます。

5

買取代金の入金

譲渡記録の確定後、ファクタリング会社から指定口座に買取代金が入金されます。

6

支払期日の自動決済

支払期日にでんさいネット経由で債務者からファクタリング会社へ自動的に決済されます。

でんさいファクタリング利用時の注意点

でんさいファクタリングを利用する際は、以下のリスクと注意点を把握してください。

でんさいネットへの加入が前提

でんさいファクタリングを利用するには、あなたの会社がでんさいネット参加金融機関の口座を持ち、でんさい利用登録が完了している必要があります。未加入の場合は、メイン取引銀行に加入手続きを依頼してください。手続きは1〜2週間で完了します。

譲渡記録請求の制約

でんさいの譲渡には債務者(支払企業)の承諾は不要ですが、譲渡記録を請求するためには譲渡人・譲受人の双方がでんさいネット参加金融機関の口座を持っている必要があります。ファクタリング会社が参加金融機関の口座を持っているか申込前に確認してください。

不渡りリスク(債務者支払不能)

ノンリコース契約でも、債務者が支払期日に決済不能(不渡り)となった場合の取扱いは契約書で確認してください。多くのファクタリング会社はノンリコースを謳いますが、契約条項に「債務者の倒産・支払不能時の処理」が明記されているか確認します。詳細はファクタリングの契約注意点も参考にしてください。

違法業者の見分け方

でんさいファクタリングは比較的新しいサービス分野のため、不透明な業者の中には実質的な貸付を装ったものがあります。金融庁登録の有無、契約書の透明性、手数料の明示性を必ず確認してください。詳細は違法ファクタリングの見分け方で整理しています。

手形からでんさいへの移行を検討する場面

紙の手形を受け取っている企業は、取引先と協議してでんさいへの移行を進める検討に値します。手形よりも紛失リスクが低く、印紙税不要、分割譲渡可能などのメリットがあります。約束手形の廃止に向けた取引慣行の見直しは、サプライヤー側からの提案として受け入れられやすくなっています。

この記事の要点

  • でんさい(電子記録債権)は手形を電子化した決済手段で、約500の金融機関が参加するインフラ
  • でんさいの資金化手段は3つ: 銀行のでんさい割引・譲渡担保融資・民間でんさいファクタリング
  • でんさいファクタリングの手数料は買取額の1〜5%と低めで、通常の請求書ファクタリングより有利
  • ノンリコース契約が原則のため譲渡人のリスクが小さく、BS上も借入金が増えない
  • 利用前にでんさいネット加入・ファクタリング会社の参加金融機関口座を確認する

でんさいファクタリングは、手形からでんさいへの移行が進む中で、サプライヤー側の資金化選択肢として有力です。手数料が低く・BSへの影響が小さく・審査スピードも早いという特徴を持ち、銀行のでんさい割引と並行して選択肢に入れる価値があります。契約条件と手数料の総額を確認し、必要に応じて顧問税理士や専門家に相談しながら判断してください。法人向けの全体像は法人ファクタリングの完全ガイド、業種別の活用は業種別ファクタリングの使い方で整理しています。

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よくある質問

Q. でんさいとファクタリングの違いは何ですか?
A. でんさい(電子記録債権)は手形を電子化した決済手段、ファクタリングは売掛債権を売却して資金化する手段で性質が異なります。でんさいを資金化する方法には、でんさい割引・でんさい譲渡・でんさいを対象としたファクタリングの3つがあります。
Q. でんさい割引とでんさいファクタリングの違いは何ですか?
A. でんさい割引は銀行・信用金庫がでんさいネットを通じて行う融資相当の取引、でんさいファクタリングは民間ファクタリング会社がでんさいを買い取る取引です。割引は審査・条件が銀行基準で厳しい代わりに手数料が低く、ファクタリングは審査スピードが早い代わりに手数料が高めです。
Q. でんさいファクタリングの手数料相場はどのくらいですか?
A. 買取額の1〜5%が目安で、通常の請求書ファクタリングより低い傾向です。でんさいは電子記録で支払期日・金額・債務者が確定しているため、ファクタリング会社のリスクが低く手数料に反映されます。
Q. でんさいを使えるのはどんな企業ですか?
A. でんさいネットに加入している金融機関で利用登録した法人・個人事業主です。約500の金融機関が参加しており、メガバンク・地方銀行・信用金庫の口座があれば加入手続きが可能です。手形からでんさいへ移行する企業が増えています。

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