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取引実績が浅くても活用可能

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新規取引先の売掛金でファクタリングは可能か

新規取引先の売掛金でファクタリングを利用する際の審査ポイントと注意点を解説。取引実績が少ない場合の対策、審査を通りやすくするための準備をまとめました。

新規取引先との取引が始まった直後は、売上が立っても入金までの資金ギャップが発生しやすい時期です。「取引は決まったが、入金は2ヶ月後。その間の運転資金が足りない」という状況は、成長期の中小企業にとって珍しくありません。

こうした場面でファクタリングの活用を検討する企業は多いですが、新規取引先の売掛金は取引実績が乏しいため、通常の売掛金と比べて審査が厳しくなる傾向があります。本記事では、新規取引先の売掛金でファクタリングを利用する際のポイントと、審査を通りやすくするための準備を解説します。

ファクタリング審査で重視されるのは売掛先の信用力

ファクタリングの審査で最も重視されるのは、利用企業(売り手)の信用力ではなく、売掛先(買い手)の信用力です。ファクタリング会社にとってのリスクは「売掛先がきちんと支払いを行うか」にあるため、売掛先の企業規模、業績、支払い実績が審査の中心となります。

新規取引先の場合、ファクタリング会社は以下の情報を基に審査を行います。売掛先の企業情報(帝国データバンクやJICCなどの信用調査機関のデータ)、売掛先の財務状況(上場企業であれば公開情報)、取引の裏付け資料(契約書、発注書、納品書)、請求書の内容と金額の妥当性です。

売掛先が上場企業、大手企業、官公庁である場合は、新規取引先であっても審査は比較的スムーズに進みます。逆に、売掛先が設立間もない企業や財務状況が不透明な企業の場合は、審査が厳格化するか、利用を断られるケースもあります。

新規取引先の売掛金で審査を通すためのポイント

新規取引先の売掛金でファクタリングの審査を通過するためには、書類の整備と売掛先情報の提供が鍵になります。

契約書・発注書を確実に取得することが最も重要です。口頭での合意や見積もり段階の案件では、ファクタリング会社は債権の存在を確認できません。正式な業務委託契約書、売買契約書、注文書など、取引の存在を証明する書面を整えておくことが前提です。

納品書・検収書を保管することで、サービスや商品の提供が完了していることを証明できます。ファクタリングは確定債権(請求権が確定した売掛金)を対象とするため、納品前の段階では利用できないのが原則です。将来債権のファクタリングを扱う会社もありますが、手数料率は高くなります。

売掛先の情報を積極的に提供することも効果的です。売掛先のウェブサイト、会社案内、直近の決算公告など、信用力を裏付ける資料を添付することで、審査担当者の判断材料が増え、審査通過の可能性が高まります。

3社間ファクタリングを検討するのも一つの方法です。3社間では売掛先にファクタリングの利用を通知し、支払いをファクタリング会社に直接行ってもらうため、ファクタリング会社のリスクが低減されます。新規取引先であっても、3社間で売掛先の協力が得られれば、審査通過率は大幅に上がります。

新規取引先との取引で注意すべきリスク

新規取引先の売掛金をファクタリングに出す際には、利用企業自身もいくつかのリスクを認識しておく必要があります。

売掛先の支払い能力の不確実性として、取引実績がない相手の支払い能力は、実際に入金されるまで確認のしようがありません。ファクタリング会社が審査で問題なしと判断しても、取引の過程でトラブルが発生し、売掛先が支払いを拒否する可能性は否定できません。2社間ファクタリングの場合、売掛先からの入金を受けた後にファクタリング会社に送金する義務が生じるため、入金トラブルは利用企業のリスクとなります。

取引内容の変更・キャンセルリスクとして、新規取引では仕様変更やキャンセルが発生する確率が、既存取引よりも高い傾向があります。ファクタリングで資金化した後に取引がキャンセルされた場合、ファクタリング会社への返金義務が生じます。

債権の二重譲渡の禁止は、ファクタリング契約の基本的な禁止事項です。同一の売掛金を複数のファクタリング会社に譲渡する行為は、詐欺罪に該当する可能性があります。債権譲渡登記によって二重譲渡は法的に防止されますが(民法第467条、動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律)、意図的に行った場合は刑事責任を問われます。

取引実績を積んで条件を改善する

新規取引先の売掛金でファクタリングを利用する場合、初回は手数料率が高くなることを想定しておく必要があります。しかし、同じ売掛先の債権を継続的にファクタリングに出し、毎回問題なく回収が完了すれば、取引実績として蓄積されます。

多くのファクタリング会社は、利用回数に応じて手数料率を段階的に引き下げるリピーター制度を設けています。初回は15%だった手数料率が、3回目以降は10%、半年の実績で8%というように改善されていくケースがあります。

長期的には、ファクタリングの手数料負担を軽減するために、売掛先との支払い条件の交渉(支払いサイトの短縮)や、銀行融資による運転資金の確保を並行して進めることが健全な資金繰り改善の方向性です。

まとめ

要点

  • 新規取引先の売掛金でもファクタリングは利用可能だが、取引実績がない分、審査は厳しく手数料率も高くなる傾向がある
  • 契約書・発注書・納品書などの取引証拠を確実に整備し、売掛先の信用力を裏付ける情報を積極的に提供することが審査通過のカギ
  • まずは少額から取引を重ね実績を積み上げ、リピーター制度を活用して手数料率の引き下げを目指す

ファクタリングの審査基準の全体像については「ファクタリングの審査基準」で、偽装ファクタリングの見分け方は「偽装ファクタリングの見分け方」で解説しています。

新規取引先の売掛金によるファクタリングについて相談したい場合は、無料相談からお問い合わせください。

よくある質問

Q. 取引実績がない新規取引先の売掛金でもファクタリングは利用できますか?
A. 利用できるケースはありますが、審査は厳しくなります。ファクタリング会社は売掛先の信用力を重視するため、新規取引先であっても売掛先が上場企業や官公庁であれば審査が通りやすくなります。取引実績が1回もない場合は、契約書や注文書の提示を求められることが一般的です。
Q. 新規取引先の場合、手数料率は高くなりますか?
A. 一般的に高くなります。取引実績のある売掛先と比較して、入金の確実性を評価しにくいため、リスクプレミアムが上乗せされます。2社間で12%から20%程度、3社間で5%から10%程度が目安です。継続利用により実績が積み上がれば手数料率が下がる可能性もあります。
Q. 架空の売掛金でファクタリングを利用するとどうなりますか?
A. 詐欺罪(刑法第246条)に該当する犯罪行為です。架空の請求書や水増しした請求書でファクタリングを利用した場合、刑事罰の対象となるだけでなく、損害賠償請求を受けます。ファクタリング会社は売掛先への確認や登記情報の照合を行うため、発覚のリスクは高いです。
Q. 新規取引先の売掛金は2社間と3社間のどちらが適していますか?
A. 新規取引先に対しては3社間ファクタリングの方が審査に通りやすい傾向があります。3社間では売掛先の承諾を得たうえでファクタリング会社が直接回収するため、リスクが低減されるためです。取引先との関係に影響を与えたくない場合は2社間を選ぶことになりますが、手数料率は高くなります。

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