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延滞税・加算税の税率一覧【2026年最新】無申告加算税・重加算税まで4パターンの計算シミュレーション

国税庁2026年の延滞税率(2か月以内2.4%・超過8.7%)と加算税率(過少申告・無申告15〜20%・重加算税35〜40%)を一覧化。4パターンの追徴シミュレーションで自社の負担額がすぐ計算でき、自主修正で加算税が免除される条件も解説します。

税務調査で申告内容の誤りが指摘されると、本来の税額に加えて延滞税と加算税が課されます。追徴税額がどの程度になるかは、申告漏れの金額だけでなく、ペナルティの種類と計算方法によっても大きく変わります。

本記事では、延滞税と加算税それぞれの計算方法を、2025〜2026年の最新税率と具体的な計算例をまじえて詳しく解説します。

加算税の種類と税率

税務調査に関連する加算税は、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税の3種類です。

過少申告加算税

申告書を提出したものの、税額が過少だった場合に課されます。税率は追加で納める税額(増差税額)に対して原則10%です。ただし、期限内申告税額と50万円のいずれか大きい金額を超える部分については15%に上がります(国税通則法第65条)。

なお、税務調査の事前通知前に自主的に修正申告した場合は過少申告加算税は課されません。事前通知後・調査着手前の場合は5%(50万円超の部分は10%)に軽減されます。

この段階的な税率設定は、自主的な修正申告を促す政策的な意図に基づいています。税務調査の事前通知を受けた時点で速やかに申告内容を見直し、誤りがあれば調査着手前に修正申告を行うことが、過少申告加算税の軽減につながります。

無申告加算税

申告期限までに申告書を提出しなかった場合に課されます。税率は納付すべき税額に対して原則15%、50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%です(国税通則法第66条)。事前通知前の自主的な期限後申告では5%に軽減されます。

無申告のペナルティは過少申告と比べて重い設定になっています。確定申告を失念していた場合や、事業を開始したばかりで申告義務を認識していなかった場合でも無申告加算税は課されるため、申告期限の管理は経理業務の最重要事項のひとつです。

2024年の税制改正により、過去に無申告加算税または重加算税を課された事業者が再度無申告となった場合は、加算税率がさらに10%上乗せされる措置(国税通則法第66条第4項)が導入されています。繰り返しの無申告に対するペナルティは年々厳しくなっている傾向があります。無申告加算税の税率体系を期限後申告のタイミング別に整理した記事は無申告加算税の税率と計算方法を参照してください。

重加算税

仮装・隠蔽(売上の除外、架空経費の計上、帳簿の改ざんなど)が認められた場合に課されます。過少申告加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%の税率が適用されます(国税通則法第68条)。重加算税が課される要件と対処法については別記事で詳しく解説しています。

重加算税は損金にならない

加算税・延滞税はいずれも法人税法第38条により損金不算入です。特に重加算税は税率が高いため、実質的な負担は計算上の金額を大きく上回ります。

延滞税の計算方法

延滞税率(2025年・令和7年)

延滞税は、法定納期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて計算されます。税率は2段階に分かれます。

納期限の翌日から2か月以内の期間は「延滞税特例基準割合+1%」で計算され、2025年は年2.4%です。2か月を超える期間は「延滞税特例基準割合+7.3%」で計算され、2025年は年8.7%です。

この税率は毎年1月に見直されるため、年をまたぐ場合はそれぞれの期間に適用される税率で計算する必要があります。

延滞税率は市場金利の動向を反映して毎年変動するため、過去の税率がそのまま将来に適用されるとは限りません。日銀の金利政策が変更された場合、翌年以降の延滞税率が上昇する可能性もあるため、修正申告を検討している場合は早期の対応が有利になります。

計算式

延滞税の計算式は以下のとおりです。

延滞税 = 追加税額 × 年率 × 日数 / 365

計算期間は法定納期限の翌日を起算日として、実際に納付した日までの日数を用います。

たとえば、追加で納める法人税が200万円、納期限から3か月(90日)経過している場合の延滞税は以下のように計算されます。

2か月以内の期間(61日): 200万円 × 2.4% × 61/365 = 8,022円

2か月超の期間(29日): 200万円 × 8.7% × 29/365 = 13,824円

合計: 21,846円(100円未満切捨て → 21,800円)

なお、延滞税の計算における「追加税額」は1万円未満の端数を切り捨てます。たとえば追加税額が2,009,500円であれば、2,000,000円を基に計算します。延滞税の確定額にも100円未満の端数切捨てが適用されるため、実際の計算では端数処理に注意が必要です。

法人住民税・事業税への影響

法人税の修正申告を行うと、法人住民税(都道府県民税・市町村民税)と法人事業税の修正申告も必要になります。法人住民税の法人税割は法人税額をもとに計算されるため、法人税の追徴に連動して追加負担が発生します。法人事業税も所得に連動して増加するため、法人税だけでなく地方税を含めた総負担額を把握しておくことが資金準備に不可欠です。

延滞税の免除特例

修正申告書が法定申告期限から1年を超えて提出された場合、1年を超える期間の延滞税は免除される特例があります(国税通則法第63条第4項)。この特例は、申告時に認識していなかった誤りを自主的に修正する場合に適用されるものであり、意図的な申告漏れには適用されません。重加算税が課される場合はこの免除特例の対象外となるため、仮装・隠蔽の認定を避けることが延滞税負担の軽減にも直結します。

修正申告のタイミング別ペナルティ比較

修正申告をいつ行うかで、加算税の税率が大きく変わります。本税100万円の追徴を例に比較します。

修正申告のタイミング過少申告加算税率加算税額延滞税(6か月と仮定)追徴合計
事前通知前に自主的に修正申告0%(免除)0円約3.3万円約103.3万円
事前通知後・調査開始前に修正申告5%5万円約3.3万円約108.3万円
調査完了後に修正申告10%10万円約3.3万円約113.3万円
仮装隠蔽が認定された場合35%(重加算税)35万円約3.3万円約138.3万円

事前通知前に自主修正すれば、調査完了後と比べて加算税だけで10万円の差が出ます。仮装隠蔽が認定された場合との差は35万円です。帳簿の見直しで誤りに気づいた場合は、税務調査を待たずに修正申告を行うことが経済的に最も合理的な判断です。

追徴課税の総額シミュレーション

税務調査で法人税100万円の申告漏れが指摘され、調査完了後に修正申告した場合の追徴額をシミュレーションします(納期限から6か月経過、仮装隠蔽なし)。

本税(追加法人税): 100万円(法人税率23.2%の場合、申告漏れ所得は約431万円に相当)

過少申告加算税: 100万円 × 10% = 10万円

延滞税(2か月以内): 100万円 × 2.4% × 61/365 = 4,011円 → 4,000円

延滞税(2か月超〜6か月): 100万円 × 8.7% × 122/365 = 29,079円 → 29,000円

追徴合計: 約113.3万円

仮にこの申告漏れが仮装隠蔽と認定された場合、過少申告加算税10万円の代わりに重加算税35万円が課され、追徴合計は約138.3万円に跳ね上がります。さらに重加算税が適用された場合は延滞税の免除特例も適用されないため、長期間にわたる申告漏れでは延滞税の負担がさらに大きくなります。追徴課税の相場も参考にしてください。

このシミュレーションからわかるとおり、本税100万円に対してペナルティだけで13〜38万円が上乗せされます。加えて、加算税・延滞税は法人税法第38条により損金不算入のため、課税所得を減らす効果はありません。実質的な経済負担は表面上の金額よりも重くなる点を理解しておく必要があります。

複数税目にまたがる追徴のケース

法人税だけでなく、消費税や源泉所得税についても同様のペナルティ体系が適用されます。たとえば外注費が給与と認定された場合、法人税の増差に加え、消費税の仕入税額控除の否認と源泉所得税の不納付加算税が同時に発生するため、追徴額が想定の数倍に膨らむケースもあります。

具体的に、年間600万円の外注費が給与と認定された場合を想定すると、法人税の追徴(外注費の否認による所得増加分)、消費税の仕入税額控除否認(600万円 × 10/110 ≒ 約55万円)、源泉所得税の不納付(給与額に対する源泉徴収税額)が同時に発生し、それぞれに加算税と延滞税が上乗せされます。この3つの税目を合算すると、本来の外注費600万円に対して200万円以上の追徴になるケースも珍しくありません。

複数年度にわたる申告漏れの場合

税務調査では通常過去3〜5年分の申告が調査対象になります。毎年同じ誤りを繰り返していた場合、1年分の申告漏れ額が小さくても、複数年分を合算すると追徴額が膨らみます。

たとえば年間30万円の経費の過大計上が5年間続いていた場合、本税の追徴は150万円分の所得に対する法人税額で約35万円程度です。これに各年分の過少申告加算税と延滞税が加わります。延滞税は年度ごとに納期限からの経過日数が異なるため、古い年度ほど延滞税の負担が大きくなります。

追徴税額を抑えるためにできること

追徴税額を最小限にするためには、税務調査の事前通知を受けた段階で速やかに対応を開始することが重要です。

事前通知後・調査開始前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税は5%(通常の半分)に軽減されます。また、延滞税は日数に応じて加算されるため、指摘を受けた後は速やかに修正申告と納付を行うことで延滞税の総額を抑えられます。

国税庁のウェブサイトには延滞税の計算ツールが公開されており、納期限と納付予定日を入力すれば延滞税の概算額を確認できます。修正申告を検討する段階で、このツールを使って追徴税額の概算を把握しておくと、納付資金の準備を計画的に進められます。

事前通知前の自主的な修正申告であれば過少申告加算税が免除されるため、日頃から帳簿を見直し、誤りに気づいた時点で速やかに対応する習慣が結果的に最も経済的な選択になります。

顧問税理士がいる場合は、調査官から指摘を受けた時点で税理士に連絡し、修正申告の要否と追徴見込み額の試算を依頼してください。税務調査への対応方法を事前に把握しておくことで、落ち着いた判断が可能になります。

なお、資金繰りの都合で追徴税額を一括で納付できない場合は、所轄税務署に納税の猶予を申請する方法があります。猶予が認められれば最長1年間の分割納付が可能で、猶予期間中の延滞税率も軽減されます(国税通則法第46条)。ただし、猶予の申請には担保の提供が求められる場合があり、申請が認められるかは税務署の判断によります。

納税の猶予を申請する場合は、資金繰り表や今後の納付計画を添付する必要があります。追徴額が100万円以上の場合は分割納付のスケジュールを具体的に示すことが求められるため、税理士と相談のうえで申請書を作成するのが望ましいです。猶予期間中も延滞税は発生しますが、通常の延滞税率(2か月超で年8.7%)よりも軽減された税率(年1.0%程度)が適用されるため、資金に余裕がない場合は積極的に活用すべき制度です。

まとめ

延滞税・加算税の計算のポイント

  • 加算税は種類(過少申告10%、無申告15%、重加算35〜40%)によって税率が大きく異なる
  • 延滞税は2025年で年2.4%(2か月以内)〜8.7%(2か月超)。日数が増えるほど負担が膨らむ
  • 事前通知前の自主的な修正申告なら過少申告加算税は免除される
  • 加算税・延滞税はいずれも損金不算入。実質負担は表面上の金額以上になる

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よくある質問

Q. 延滞税と加算税の違いは何ですか?
A. 延滞税は税金の納付が遅れたことに対する利息的なペナルティで、納期限の翌日から納付日までの日数に応じて計算されます。加算税は申告内容に誤りがあったこと(過少申告)や申告しなかったこと(無申告)に対するペナルティで、追加で納める税額に対して一定の割合で課されます。
Q. 延滞税の税率は何%ですか?
A. 2025年(令和7年)の延滞税率は、納期限の翌日から2か月以内が年2.4%、2か月を超える期間が年8.7%です。この税率は毎年変動し、『延滞税特例基準割合』に基づいて決定されます。2か月以内に修正申告を行い納付すれば、延滞税の負担を大幅に抑えられます。
Q. 加算税は損金にできますか?
A. できません。加算税(過少申告加算税、無申告加算税、重加算税)および延滞税は、法人税法第38条により損金不算入と定められています。つまり、これらのペナルティは税引後の利益から負担することになり、実質的な経済負担は計算上の金額以上になります。
Q. 修正申告を自主的に行えば加算税はかかりませんか?
A. 税務調査の事前通知前に自主的に修正申告した場合、過少申告加算税は課されません。ただし、事前通知後に修正申告した場合は、税額に応じて5〜10%の過少申告加算税が課されます。調査完了後に修正申告した場合は通常の10〜15%です。延滞税は自主的に修正申告した場合でも発生します。

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