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確定申告の間違いで税務署から連絡くる?対応手順を解説

確定申告の間違いで税務署から連絡が来た場合の対応方法を解説。電話・書面・お尋ね・税務調査通知の4パターン別に、修正申告や更正の請求の判断基準、加算税・延滞税の有無まで網羅します。

確定申告を済ませた後に税務署から電話や書面が届くと、誰でも不安になります。「何か重大なミスをしてしまったのか」「追徴課税されるのか」と考え始めるとなかなか冷静でいられません。

ただ、税務署からの連絡にはいくつかのパターンがあり、すべてが税務調査につながるわけではありません。計算ミスの指摘であれば修正申告で済みますし、「お尋ね」と呼ばれる照会文書への回答だけで完結するケースもあります。

この記事では、確定申告の間違いで税務署から連絡が来るケースを4つのパターンに分類し、それぞれの対応方法を整理します。修正申告のデメリットとリスク更正の請求のe-Taxでの手続き方法もあわせて確認すると、全体像が把握しやすくなります。

税務署から連絡が来る4つのパターン

確定申告の間違いに対する税務署の対応は、大きく4つに分けられます。連絡の形式によって緊急度も対処法も異なるため、まず自分がどのパターンに該当するかを確認してください。

パターン1:電話での確認連絡

最も軽微なケースです。申告書の記載内容に明らかな計算ミスや転記ミスがある場合、税務署の担当者が電話で確認してきます。たとえば、所得控除の計算が合わない、添付書類と申告書の数字が一致しない、といった形式的な誤りが対象です。

この段階では、電話で事実関係を確認し、修正申告書を提出すれば手続きは完了します。申告期限前であれば訂正申告(正しい申告書の再提出)で対応できます。

パターン2:書面での是正勧奨

税務署が申告書の内容をチェックした結果、計算誤りや適用法令の誤りを発見した場合に送付される文書です。国税通則法第24条に基づく「更正」の前段階として、まず納税者に自主的な修正申告を促す目的で発送されます。

文書には「申告内容にお誤りと思われる点があります」という趣旨の記載と、修正が必要な項目の概要が書かれています。法的な強制力はありませんが、放置すると税務署が職権で更正処分を行う可能性があります。

パターン3:お尋ね文書

「お尋ね」は、申告内容の裏づけとなる事実を確認するために税務署が送る照会文書です。正式な税務調査ではないため、受任義務(調査に応じる義務)は発生しません。ただし、回答しないままにすると税務調査に移行する可能性が高まります。

お尋ねの対象になりやすいのは、不動産の売却があった年、相続が発生した年、多額の医療費控除を申告した年などです。収入や経費について具体的な資料の提出を求められることもあります。

パターン4:税務調査の事前通知

確定申告の間違いが疑われ、実地調査が必要と判断された場合に行われる正式な通知です。国税通則法第74条の9に基づき、調査官が電話で11項目の事前通知を行います。税務調査の事前通知を受けた場合の対応手順で詳しく解説しています。

事前通知を受けた場合は速やかに税理士に相談してください。通知から調査日までの準備次第で、調査結果は大きく変わります。

連絡の種類と緊急度の整理

  • 電話での確認 → 緊急度低。その場で事実を確認し修正申告を提出
  • 書面での是正勧奨 → 緊急度中。期限内に修正申告を提出しないと更正処分の可能性
  • お尋ね文書 → 緊急度中。回答しないと税務調査に発展するリスクあり
  • 税務調査の事前通知 → 緊急度高。税理士への相談が必須

税務署から連絡が来る時期

確定申告の間違いに対する連絡の時期は、誤りの種類と規模によって異なります。一般的な目安は次のとおりです。

計算ミスや転記ミスなど形式的な誤りは、申告書が受理されてから1〜3ヶ月以内に指摘されるケースが多いです。確定申告の繁忙期(2月〜3月)に提出した場合は、税務署の処理が落ち着く5月以降に連絡が来ることもあります。

お尋ね文書は、申告内容と税務署が持つ資料情報(法定調書や支払調書)を突き合わせた結果を踏まえて送られます。時期としては申告の半年〜1年後が多く、不動産取引や株式譲渡があった年は特に発送頻度が高くなります。

税務調査の事前通知は、一般的に申告の1〜3年後に届きます。所得税の更正の期間制限は法定申告期限から5年(偽り・不正行為がある場合は7年)ですので、最長で5年〜7年前の申告に対して調査が入る可能性があります(国税通則法第70条)。

税務署の「資料せん」とは

税務署は、金融機関や取引先から提出される法定調書(支払調書・源泉徴収票など)を蓄積しています。この資料と確定申告の内容を突合する作業を「資料せんの突合」と呼び、不整合が発見された場合にお尋ねや調査につながります。申告していない収入があると、この突合で発覚する仕組みです。

連絡内容ごとの対応方法

税務署から連絡を受けた場合、内容に応じた適切な対応が必要です。対応を誤ると本来不要だったペナルティを負うことになりかねません。

計算ミス・転記ミスの指摘を受けた場合

単純な計算誤りや転記ミスであれば、税務署の指摘内容を確認のうえ修正申告書を提出します。修正申告書は税務署の窓口、郵送、e-Taxのいずれでも提出できます。

申告期限(所得税は原則3月15日)より前に間違いに気づいた場合は、修正申告ではなく訂正申告(正しい申告書を改めて提出する方法)で対応できます。訂正申告の場合、加算税や延滞税は発生しません。

申告期限後に修正申告を提出する場合は、追加で納める税額とともに延滞税が発生します。ただし、税務調査の事前通知前に自主的に修正申告を提出すれば、過少申告加算税は免除されます(国税通則法第65条第5項)。

記載漏れ・申告漏れを指摘された場合

収入の記載漏れや経費の過大計上など、申告内容そのものに誤りがあった場合です。税務署から具体的な項目を示されたら、帳簿や証憑を確認し、事実関係を整理してください。

指摘内容が正しければ速やかに修正申告を提出します。指摘内容に疑問がある場合は、税理士に相談して事実関係を精査したうえで対応を決めてください。安易に認めると修正申告のデメリットで解説しているように、後から覆すのが困難になります。

お尋ね文書への回答

お尋ね文書が届いた場合は、指定された回答期限内に事実を正確に記載して返送します。回答に際しては以下の点に注意してください。

事実と異なる内容を書かないことが大前提です。虚偽の回答は後の税務調査で不利に働きます。手元に資料がなくすぐに回答できない場合は、税務署に連絡して回答期限の延長を依頼してください。電話で「資料を確認する時間が必要です」と伝えれば、2週間程度の延長は認められるのが一般的です。

回答内容に問題がなければ、お尋ねへの回答で手続きが完結し、税務調査には発展しません。

税務調査の事前通知を受けた場合

事前通知は国税通則法第74条の9に基づく正式な手続きです。調査を行う旨、日時、場所、対象税目、対象期間など11項目が通知されます。

事前通知を受けたら、その場で回答する必要はありません。「顧問税理士に確認してから折り返します」と伝えてください。顧問税理士がいない場合は、税務調査の立会いに対応できる税理士を早急に探す必要があります。日程の変更は合理的な理由があれば認められます。

事前通知後の修正申告でも加算税が軽減される

税務調査の事前通知を受けた後でも、調査官が実地調査に着手する前に修正申告を提出すれば、過少申告加算税の税率が5%(通常10%)に軽減されます(国税通則法第65条第5項)。事前通知を受けたら、指摘が予想される項目を洗い出し、修正が必要な部分があれば調査着手前に修正申告を検討してください。

修正申告と更正の請求の判断フロー

確定申告の間違いに気づいた場合(または指摘を受けた場合)、取るべき手続きは「税額が増える方向か、減る方向か」で決まります。

税額が増える場合 → 修正申告

本来納めるべき税額より少なく申告していた場合は、修正申告を行います(国税通則法第19条)。修正申告には提出期限の制限はありませんが、延滞税は法定納期限の翌日から起算されるため、早期に提出するほど延滞税の負担は軽くなります。

修正申告は「納税者の自主的な意思に基づく申告」として扱われます。提出した時点で申告内容を認めたことになるため、後から「やはり納得できない」と不服を申し立てることが原則としてできなくなる点に注意が必要です。

税額が減る場合 → 更正の請求

本来の税額より多く納めていた場合は、更正の請求を行います(国税通則法第23条)。更正の請求が認められると、差額が還付されます。

更正の請求には期限があり、原則として法定申告期限から5年以内に行わなければなりません。e-Taxでの手続き方法は更正の請求のe-Tax手続きガイドを参照してください。

判断に迷うケース

実務では、ある項目では税額が増え、別の項目では減るという状況もあります。この場合、差し引きした結果で判断します。全体として税額が増えるなら修正申告、減るなら更正の請求です。

複数の項目にまたがる修正が必要な場合は、自力で判断せず税理士に相談することを推奨します。修正申告と更正の請求を同時に行う必要が生じることもあり、手続きの組み合わせを間違えるとかえって不利になる場合があります。更正の請求と確定申告の違いも理解しておくと判断の助けになります。

修正申告と更正の請求の判断基準

  • 税額が増える方向 → 修正申告(国税通則法19条)。提出期限なし、早いほど延滞税が少ない
  • 税額が減る方向 → 更正の請求(国税通則法23条)。法定申告期限から5年以内
  • 申告期限前に気づいた → 訂正申告(正しい申告書を再提出)。ペナルティなし
  • 修正申告は不服申立てができなくなる。指摘内容に疑問があれば税理士に相談

加算税・延滞税がかかるケースとかからないケース

確定申告の間違いが発覚した場合に気になるのが、ペナルティの有無です。加算税と延滞税の2つに分けて整理します。

過少申告加算税

修正申告で追加の税額が発生する場合に課されるペナルティです。税率は追加税額の10%(追加税額が当初の申告税額または50万円のいずれか多い方を超える部分は15%)です(国税通則法第65条)。

ただし、以下のタイミングで自主的に修正申告を提出した場合は、過少申告加算税が軽減または免除されます。

修正申告のタイミング過少申告加算税
申告期限前(訂正申告)不要
税務調査の事前通知前免除
事前通知後・調査着手前5%(超過部分10%)
調査着手後10%(超過部分15%)

無申告加算税

確定申告そのものを行っていなかった場合に課されます。税率は納付すべき税額の15%(50万円超の部分は20%、300万円超の部分は30%)です(国税通則法第66条)。事前通知前の自主的な期限後申告であれば5%に軽減されます。

重加算税

仮装や隠蔽があった場合の最も重いペナルティです。過少申告があった場合は35%、無申告だった場合は40%が課されます(国税通則法第68条)。単なる計算ミスや認識不足では重加算税の対象にはなりません。二重帳簿の作成、売上の意図的な除外、架空経費の計上など、積極的な不正行為が認められた場合に限られます。

延滞税

修正申告や更正処分によって追加納付が発生した場合、法定納期限の翌日から実際の納付日まで延滞税がかかります(国税通則法第60条)。2026年の延滞税率は、納期限の翌日から2ヶ月以内が年2.4%、2ヶ月を超える期間が年8.7%です。

延滞税は修正申告の自主性とは無関係に発生します。事前通知前に自主的に修正申告を提出して過少申告加算税が免除されても、延滞税は法定納期限から起算されます。延滞税の計算方法と具体的なシミュレーションは延滞税・加算税の計算方法で確認できます。

正当な理由があれば加算税が免除される場合

「正当な理由」がある場合は過少申告加算税が課されないと国税通則法第65条第4項に規定されています。たとえば、税務署の指導に従って申告した結果が誤りだった場合や、法令の解釈について通達が変更された場合などが該当します。ただし「正当な理由」の認定は厳格で、単に「知らなかった」「税理士に任せていた」だけでは認められません。

お尋ね文書への実務的な対応

税務調査の正式な手続きではないお尋ね文書は、適切に対応すれば調査への発展を防げるケースが多いです。実務で気をつけるべきポイントを整理します。

お尋ねが届きやすい申告パターン

不動産を売却した年の譲渡所得、相続が発生した年の相続財産、開業初年度の事業所得、多額の医療費控除や寄附金控除がある年は、お尋ね文書の対象になりやすい傾向があります。

これらに共通するのは「通常の年と比べて申告内容に大きな変動がある」という点です。税務署はKSK(国税総合管理システム)で過年度との比較分析を行っており、変動が大きい申告を自動的に抽出しています。

回答時の注意事項

回答書には事実のみを記載します。曖昧な記憶に基づく推測は書かないでください。「不明」「確認中」と記載して構いません。ただし、不明な点が多すぎると税務署が調査の必要性を判断する材料になるため、可能な範囲で帳簿や証憑を確認してから回答してください。

回答書のコピーは手元に保管しておきます。後日、同じ内容について再度質問されたときに一貫した回答ができるようにするためです。

回答の結果、申告内容に間違いが見つかった場合は、自主的に修正申告を提出してください。お尋ねへの回答と修正申告を同時に行うことで、税務署からの信頼を維持し、追加の調査を回避できる可能性が高まります。

連絡を受けたときの対処手順

税務署から連絡が来た場合に取るべき行動を、順番に整理します。

1

連絡の種類を確認する

電話・書面・お尋ね・税務調査の事前通知のいずれかを判別します。書面の場合は文書のタイトルや差出人(管轄税務署の部門名)を確認してください。

2

指摘内容を正確に把握する

どの年度の、どの項目について指摘されているかを記録します。電話の場合は担当者名・連絡先・指摘の概要をメモしてください。

3

帳簿・証憑を確認する

指摘された項目に関する帳簿、領収書、契約書、銀行明細などの資料を集めます。間違いがあるかどうかを自分で確認してください。

4

税理士に相談する

指摘内容が複雑な場合や金額が大きい場合は、自力で対応せず税理士に相談します。顧問税理士がいない場合は税務調査に対応できる税理士を探してください。

5

修正申告または更正の請求を行う

間違いが確認できた場合は、税額が増える方向なら修正申告、減る方向なら更正の請求を提出します。追加税額がある場合は修正申告書の提出日が納期限です。

6

再発防止策を講じる

同じ間違いを繰り返さないよう、帳簿の記帳方法や経費の管理体制を見直します。会計ソフトの設定や経理フローの改善を検討してください。

確定申告の間違いを防ぐためにできること

税務署からの連絡を受けないのが最善です。確定申告の間違いを防ぐために、日頃から以下の点を意識してください。

申告書の提出前に、計算結果を複数回チェックする習慣をつけることが基本です。特に、所得控除の合計額と税額計算の整合性は見落としやすいポイントです。

会計ソフトやe-Taxの自動計算機能を活用すると、手計算による転記ミスを防げます。ただし、入力するデータ自体が正しいことが前提になるため、元データの確認は怠らないでください。

収入が複数の源泉からある場合(給与所得と事業所得の併用、不動産所得の存在など)は、すべての収入を漏れなく申告しているかを確認してください。支払調書や源泉徴収票と申告内容の突合は、税務署が最初に行うチェック項目です。

不安がある場合は、確定申告の時期に税理士や税務署の無料相談窓口を利用してください。申告前の相談であれば、間違いを未然に防ぐことができます。

まとめ

確定申告の間違いで税務署から連絡が来た場合、まず連絡の種類(電話・書面・お尋ね・税務調査の事前通知)を確認し、それぞれに適した対応を取ることが重要です。

税務調査の事前通知前に自主的に修正申告を提出すれば、過少申告加算税は免除されます。連絡を放置したり、虚偽の回答をしたりすると、かえってペナルティが重くなります。

間違いの内容が複雑な場合や金額が大きい場合は、早い段階で税理士に相談してください。専門家の助言を受けることで、不要な加算税の負担を回避し、適正な申告に修正できます。

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よくある質問

Q. 確定申告の間違いで税務署から連絡が来るのはいつ頃ですか?
A. 計算ミスなど明らかな誤りは申告後1〜3ヶ月以内に連絡が来ることが多いです。内容の不整合に関するお尋ねは半年〜1年後、税務調査の事前通知は1〜3年後に届くケースが一般的です。
Q. 税務署からの電話に出られなかった場合はどうすればよいですか?
A. 税務署は留守番電話に伝言を残すか、後日改めて電話をかけてきます。着信に気づいたら折り返し連絡してください。放置すると書面での通知に切り替わり、対応の選択肢が狭まる場合があります。
Q. 税務署からの連絡を無視するとどうなりますか?
A. お尋ねや電話を無視し続けると、税務署側が職権で更正処分を行う可能性があります。更正処分では加算税が課されるうえ、悪質と判断されれば重加算税の対象になることもあります。
Q. 確定申告の間違いに自分で気づいた場合はどうすればよいですか?
A. 税額が少なかった場合は速やかに修正申告を提出してください。税額が多かった場合は更正の請求を行います。税務調査の事前通知前に自主的に修正すれば過少申告加算税は課されません。
Q. 修正申告と更正の請求はどちらを選べばよいですか?
A. 納めた税額が本来より少ない場合は修正申告、多い場合は更正の請求です。判断に迷うときは税理士に相談してください。修正申告は期限なし、更正の請求は法定申告期限から5年以内です。
Q. 確定申告の間違いで必ず加算税がかかりますか?
A. 税務調査の事前通知前に自主的に修正申告した場合、過少申告加算税は課されません(国税通則法65条5項)。ただし延滞税は法定納期限の翌日から発生するため、早期の修正が有利です。
Q. お尋ね文書が届いた場合、必ず税務調査に発展しますか?
A. お尋ねは税務調査の前段階の確認であり、回答内容に問題がなければ調査に発展しないケースも多くあります。期限内に正確に回答することで調査を回避できる可能性があります。

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