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会社清算の手続きと流れ|解散から清算結了まで

株式会社の清算手続きを、解散決議から清算結了登記まで日付を追って解説。登録免許税3万9千円・官報公告料などの費用、2か月以上の債権申出期間を含むスケジュール、従業員と取引先への対応、清算中の税務まで条文つきで整理します。

会社を閉じると決めた後、まず知りたいのは「何を、いつまでに、いくらかけてやるのか」です。清算の手続きは会社法で順序が決まっていて、途中を飛ばすことができません。

この記事では、株式会社の通常清算を前提に、解散決議から清算結了の登記までを日付で追える形に整理します。費用の内訳と、従業員や取引先への対応、清算中の税務申告もあわせて確認できます。税務と申告のスケジュールは、グループ通算制度を適用していない株式会社を前提にしています。

会社清算とは

清算の法的位置づけ

会社清算とは、会社の法人格を消滅させるために、事業を終了し、資産の換価・債務の弁済・残余財産の分配を行う手続きです。解散した会社は、清算の目的の範囲内で、清算が結了するまで存続するものとみなされます(会社法476条)。

清算には通常清算と特別清算の2種類があります。

種類根拠条文使う場面
通常清算会社法475条〜509条資産で全ての債務を弁済できる場合
特別清算会社法510条〜574条債務超過の疑いがある場合、清算の遂行に著しい支障がある場合

本記事では通常清算を中心に解説します。

解散・清算・廃業・破産の違い

似た言葉が並ぶので、先に整理します。

言葉意味
解散会社が事業をやめて清算に入ること。この時点では法人格が残る
清算解散した会社の資産と負債を整理し、法人格を消滅させる手続き
廃業事業をやめること全般を指す一般的な言い方。法律上の手続きの名称ではない
破産裁判所の監督のもとで財産を換価し、債権者に配当する手続き(破産法)

解散しただけでは会社は消えません。清算の事務をすべて終えた時点(清算の結了)で法人格が消滅し、清算結了の登記はその事実を公示するものです(会社法476条)。清算の事務が残っていれば、登記の後も必要な範囲で会社は存続します。

解散事由

会社法471条は、株式会社の解散事由として、定款で定めた存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会の特別決議、合併による消滅、破産手続開始の決定、裁判所の解散命令・解散判決を定めています。

中小企業の自主的な廃業では、株主総会の特別決議が大半です。議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上が賛成する必要があります(会社法309条2項11号)。定款で、法律が認める範囲(定足数は3分の1以上、賛成の割合は3分の2以上)で別の定めをしている場合は、その定めに従います。

このほか、登記が最後にあった日から12年を経過した株式会社は、法務大臣の官報公告から2か月以内に届出をしないと解散したものとみなされます(会社法472条1項)。その期間内に会社の登記をした場合は、みなし解散になりません(同項ただし書)。放置していた会社にも清算の手続きは残ります。

解散決議から清算結了までの流れ

全体のスケジュール

解散日を起点にすると、清算結了までの流れは次のようになります。日付は、解散日を基準にした目安です。

時期の目安手続き期限の根拠
解散日株主総会で解散決議・清算人の選任会社法471条3号・478条
解散日から2週間以内解散と清算人の登記(清算人を選任した場合は選任から2週間以内)会社法926条・928条
解散後すみやかに税務署・都道府県・市区町村への異動届出各機関の定め
清算人の就任後遅滞なく作成し、その後に株主総会で承認財産目録・貸借対照表会社法492条1項・3項
解散後遅滞なく開始・2か月以上官報に解散公告、知れている債権者へ各別の催告会社法499条1項
解散日の翌日から原則2か月以内解散事業年度の確定申告法人税法74条1項
公告期間の満了後債務の弁済、残余財産の確定会社法500条・502条
残余財産確定日の翌日から1か月以内(その間に最後の分配をするときは分配日の前日まで)最後の事業年度の確定申告法人税法74条2項
債務の弁済後残余財産の分配会社法502条
清算事務の終了後遅滞なく作成し、その後に株主総会で承認決算報告会社法507条1項・3項
承認の日から2週間以内清算結了の登記会社法929条1号

債権者保護手続きの2か月は短縮できないため、清算結了までは少なくともそれ以上の期間がかかります。実際には、官報に公告が載るまでの日数、財産の換価、決算報告の作成と登記の申請が加わります。

最後の事業年度の申告期限は、残余財産を最後に分配する日によって変わります。分配を急ぐと申告期限も前倒しになります。分配日は申告の準備と合わせて決めてください。

期間が延びるのは、次のような事情があるときです。

  • 不動産や機械を売却する予定で、買い手が決まるまで残余財産が確定しない
  • 回収できていない売掛金があり、相手との交渉や法的手続きが残っている
  • 訴訟や係争中の債権があり、存否や金額が決まらない
  • 帳簿の不備を直すところから始める必要があり、申告書類の準備に時間がかかる

売却に時間がかかる資産は、解散前から買い手を探し始めると、清算にかかる期間を短くできます。

解散決議と清算人の選任

株主総会で解散の特別決議を行い、あわせて清算人を選任します。定款に定めがなく、株主総会でも選任しない場合は、取締役がそのまま清算人になります(会社法478条1項1号)。

清算人の職務は、現務の結了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配の3つです(同法481条)。会社を代表するのは清算人で、代表清算人を定めた場合はその人が代表します(同法483条1項)。清算が終わるまで職務の責任を負います。

清算人は、債権の取立てや残余財産の分配など、お金の動きに責任を持ちます。決算報告が株主総会で承認されると、任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任は免除されたものとみなされます(同法486条・507条4項)。職務の執行に不正があった場合は免除されません。

債権や債務の状況を把握していない人を形式的に清算人にすると、資料の確認から始めることになり、手続き全体が延びます。

解散日をいつにするか

事業年度の途中で解散すると、解散の日で事業年度が終わり、事業年度の開始日から解散日までの期間について確定申告が必要です(法人税法14条1項1号・74条1項)。通常の決算日に解散する場合は、申告の対象期間は通常の事業年度と同じになります。

解散日の翌日からは1年ごとの清算事務年度が事業年度になるため(会社法494条1項、法人税基本通達1-2-9)、解散日をどこに置くかで申告の回数とタイミングが変わります。決算期との関係と、公告期間の2か月をどこに収めるかを、税理士と一緒に決めてください。

解散登記と届出

解散の日から2週間以内に、法務局へ解散の登記を申請します(会社法926条)。株主総会で選任した清算人の登記は選任から2週間以内が期限で(同法928条3項)、解散決議と同じ日に選任すれば、解散の登記と一緒に申請できます。登録免許税は、解散の登記が3万円、清算人および代表清算人の選任の登記が9千円で、合計3万9千円です(法務局の登記申請書様式)。

登記と並行して、各機関へ届出を行います。

届出先書類期限
税務署異動届出書(解散の届出)すみやかに
都道府県税事務所・市区町村法人異動届出書各自治体の定め
年金事務所適用事業所全喪届(適用事業所に該当しなくなった場合)事実発生から5日以内
ハローワーク雇用保険適用事業所廃止届廃止の日の翌日から10日以内

財産目録と貸借対照表の作成

清算人は就任後遅滞なく、会社の財産の現況を調査し、解散した日における財産目録と貸借対照表を作成します(会社法492条1項)。その後、株主総会の承認を受けます(同条3項)。

ここで資産と負債を正確に把握できないと、後の弁済や分配の計画が立ちません。帳簿に載っていないリース債務や個人保証の有無も、この段階で洗い出しておきます。

債権者保護手続き

清算人は解散後遅滞なく、債権者に対し2か月以上の期間内に債権を申し出るよう官報に公告し、知れている債権者には各別に催告しなければなりません(会社法499条1項)。公告には、期間内に申し出ないと清算から除斥される旨を書きます(同条2項)。

期間内に申し出なかった債権者は清算から除斥されますが、除斥されるのは知れている債権者以外です(同法503条1項)。帳簿や契約書で把握している取引先への個別の催告を省くと、清算結了後に請求を受けるおそれがあります。

除斥された債権者も、分配されていない残余財産に対してだけは弁済を請求できます(同条2項)。官報公告の申込み方法は解散公告(官報公告)の手続きで解説しています。

官報公告の2か月間は短縮できない

債権者保護手続きの期間は、会社法499条1項で2か月を下ることができないと定められています。清算の期間がこれより短くなることはありません。

資産の換価と債務の弁済

公告期間の間に、資産の換価を進めます。不動産・車両・設備の売却、売掛金や貸付金の回収、保険の解約返戻金の受け取り、預金口座の整理が中心です。

債務の弁済は、公告期間が満了するまでは原則としてできません(会社法500条1項)。少額の債権や、担保権で担保される債権など、他の債権者を害するおそれがない債務は、裁判所の許可を得れば期間内でも弁済できます(同条2項)。

弁済が遅れたことによる債務不履行の責任は免れないため、支払いが先に延びる取引先には、事情と支払いの予定を伝えておきます。

残余財産の確定と分配

債務を弁済した後でなければ、財産を株主に分配することはできません(会社法502条)。存否や額に争いのある債権があるときは、その弁済に必要な財産を留保したうえで分配します。

分配の方法は、原則として株式の数に応じます。種類株式を発行している場合は、内容に従って分配の順序と割合を決めます。

決算報告と清算結了の登記

清算事務が終わったら、清算人は遅滞なく決算報告を作成します(会社法507条1項)。その後、株主総会の承認を受けます(同条3項)。承認があると、清算人が任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任は免除されたものとみなされます(同条4項。職務の執行に不正があった場合を除く)。第三者に対する責任まで免除されるわけではありません。

承認の日から2週間以内に、清算結了の登記を申請します(会社法929条1号)。登録免許税は2千円です(法務局の登記申請書様式)。必要な書類は清算結了登記の必要書類と手続きで確認できます。

登記が終わっても帳簿は捨てられません。清算人は、清算結了の登記の時から10年間、会社の帳簿と事業・清算に関する重要な資料を保存する必要があります(同法508条1項)。

清算にかかる費用

法定費用は金額が決まっています。専門家に依頼する場合の報酬は事務所ごとに異なるため、見積もりで確認してください。

費目金額出典
解散の登記3万円法務局の登記申請書様式
清算人・代表清算人の選任の登記9千円同上
清算結了の登記2千円同上
官報の解散公告1行あたり本体3,589円(税込3,947円)。総額は本体×行数に消費税を加えた額全国官報販売協同組合の掲載料金
登記事項証明書・印鑑証明書など1通あたり数百円法務局の手数料
司法書士・税理士への報酬事務所により異なる見積もりで確認

費用が変わるところ

法定費用の金額は決まっていますが、総額は次の点で変わります。

  • 官報公告の行数。商号や本店所在地が長いほど行数が増えます
  • 登記を自分で申請するか、司法書士に依頼するか
  • 決算書類の整理と申告をどこまで税理士に依頼するか
  • 特別清算や破産に移行した場合は、裁判所に納める費用が別に必要になります

登記の申請自体は自分でもできますが、清算人の登記と清算結了の登記は添付書類が決まっているため、不備で補正になるとその分だけ手続きが延びます。

官報の料金は行数で決まるため、解散公告の文面が長くなるほど高くなります。特殊法人や地方公共団体の公告、枠付きの公告は料金が別に定められており、会社の解散公告とは金額が違います。

清算中の会社ができないこと

清算株式会社は、清算の目的の範囲内でのみ存続します(会社法476条)。新しく営業を始めたり、事業を拡大したりすることはできません。

できないこと根拠
清算の目的を超える新規の営業会社法476条
債権申出期間中の債務の弁済(裁判所の許可がある場合を除く)会社法500条
債務を弁済する前の株主への財産の分配(争いのある債務について必要な財産を留保した場合を除く)会社法502条

現務の結了として、進行中の取引を終わらせることはできます。継続中の契約をどこまで履行するかは、清算人が取引先と個別に調整します。新しい借入れや設備の購入も、清算の目的に必要な範囲でしかできないため、資金が必要になる場面は解散前に洗い出しておきます。

従業員と取引先への対応

従業員

従業員を解雇する場合は、原則として少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります(労働基準法20条1項)。予告の日数は、平均賃金を支払った日数だけ短縮できます(同条2項)。

社会保険は年金事務所へ適用事業所全喪届を事実発生から5日以内に(役員だけの会社でも適用事業所であれば必要です)、雇用保険はハローワークへ適用事業所廃止届を廃止の日の翌日から10日以内に提出します。退職金や離職票の扱いは廃業時の従業員の退職金と解雇予告で解説しています。

取引先

取引先には、最終受注日・最終納品日・代金の精算の締め日を伝えます。仕入先など債権者にあたる相手には、挨拶状とは別に、会社法499条1項の各別の催告が必要です。

挨拶状の文例と送る時期は廃業時の取引先への挨拶・通知文にまとめています。継続して発注している仕入先には、最終発注日と、作業途中の案件をどこまで進めるかも決めて伝えます。支払いが公告期間の満了後になる相手には、その理由と支払いの予定を先に伝えておくと、問い合わせややり取りが減ります。

債務超過の場合の対応

債務超過が関係すると、通常清算をそのまま続けることはできません。通常清算を進めている間に次の状態になったとき、会社法は清算人に申立ての義務を定めています。

状態清算人の義務根拠
債務超過の疑いがある特別清算開始の申立て会社法511条2項
財産が債務を完済するのに足りないことが明らかになった直ちに破産手続開始の申立て会社法484条1項

特別清算の開始が命じられた後は、破産手続開始の申立てはできなくなり(会社法515条1項)、裁判所の監督のもとで特別清算の規律に従って進みます。

特別清算は、清算の遂行に著しい支障を来すべき事情や債務超過の疑いがある場合に、裁判所が開始を命じる手続きです(会社法510条)。裁判所の監督のもとで進み、協定型では債権者集会で、出席した議決権者の過半数の同意と、議決権の総額の3分の2以上を持つ者の同意の両方が必要です(同法567条1項)。

解散する前の段階で債務超過が明らかな場合は、最初から特別清算または破産を前提に計画を立てます。清算に進む前に、廃業と事業再生のどちらが適切かの判断基準も確認してください。

債務超過の疑いが出たら通常清算は続けられない

通常清算を進めている間に債務超過の疑いがあれば特別清算開始の申立て(会社法511条2項)、財産が債務に足りないことが明らかになれば破産手続開始の申立て(同法484条1項)が清算人の義務です。特別清算の開始が命じられた後は、その手続の規律に従います(同法515条1項)。疑いに気づいた時点で弁護士に相談してください。

清算に伴う税務処理

この章は、グループ通算制度を適用していない株式会社を前提にしています。通算法人は事業年度や申告期限に別の定めがあるため、顧問税理士に確認してください。

事業年度の区分

解散すると、事業年度の区分が通常と変わります。

  • 解散事業年度: 事業年度の開始日から解散の日まで(法人税法14条1項1号)
  • 清算中の事業年度: 解散の日の翌日から1年ごとの清算事務年度(会社法494条1項、法人税基本通達1-2-9)
  • 最後の事業年度: 残余財産が確定した日に終わる(法人税法14条1項5号)

それぞれの事業年度について法人税の確定申告が必要です。申告期限は事業年度終了の日の翌日から原則2か月以内です(法人税法74条1項)。最後の事業年度だけは、残余財産確定の日の翌日から1か月以内で、その間に残余財産の最後の分配をするときは分配日の前日までです(同条2項)。

清算中の法人税

清算事業年度の法人税は、かつての清算所得課税が廃止され、通常の各事業年度の所得に対する法人税として課税されます。資産の売却益や債務免除益が出た事業年度は、その益金に算入されます。

繰越欠損金があれば控除できます。一般の法人は控除前の所得の50%までですが、中小法人等は控除前の所得の全額まで控除できます(法人税法57条1項・11項)。青色申告書を提出した事業年度の欠損金であることなどの要件があります。債務免除益が大きい場合は、欠損金の残高を先に確認しておくと、納税額の見通しが立ちます。

残余財産の分配と税務

株主に分配される残余財産のうち、資本金等の額に対応する部分は資本の払戻しにあたり、それを超える部分はみなし配当として課税されます(法人税法24条1項4号、所得税法25条1項4号)。

株主が個人の場合、みなし配当は配当所得として総合課税の対象です。株主が法人の場合は、受取配当等の益金不算入(法人税法23条)の適用を受けられることがあります。残余財産の規模ごとの手取りは会社清算の税金と残余財産分配で整理しています。

清算結了後の届出

清算結了の登記の後、税務署に異動届出書を提出し、都道府県税事務所と市区町村にも法人異動届出書を提出します。

最後の事業年度の確定申告は、登記を待って出すものではありません。期限は残余財産確定の日の翌日から1か月以内(その1か月以内に最後の分配をするときは分配日の前日まで)なので、分配と登記の日程を決める段階で申告の準備を済ませておきます。廃業手続きの全体像もあわせて確認してください。

まとめ

この記事の要点

  • 債権者保護手続きの2か月以上(会社法499条1項)は短縮できず、清算にはそれ以上の期間がかかる
  • 法定費用は解散と清算人選任の登記で3万9千円、清算結了の登記で2千円。官報の解散公告は会社の公告が1行税込3,947円
  • 公告期間中は原則として債務を弁済できず(500条)、債務を弁済するまで株主に分配できない(502条。争いのある債務は必要な財産を留保すれば分配できる)
  • 通常清算中に債務超過の疑いがあれば特別清算の申立て(511条2項)、財産が債務に足りないと明らかになれば直ちに破産手続開始の申立て(484条1項)が清算人の義務。特別清算の開始後は別の規律(515条1項)
  • 清算中の事業年度ごとに法人税の申告が必要(グループ通算制度を使っていない株式会社の場合)。最後の申告は残余財産確定の日の翌日から1か月以内(その1か月以内に最後の分配をするときは分配日の前日まで)

出典

清算のスケジュールと費用の見通しは、解散日を決める前に税理士・司法書士と確認しておくと、後戻りが減ります。進め方に迷う段階でのご相談は無料相談から承ります。

再生、清算、資金繰りを切り分ける

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よくある質問

Q. 会社の清算にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 債権者に債権の申出を求める期間だけで2か月以上かかります(会社法499条1項)。この期間は短縮できず、ここに官報公告が掲載されるまでの日数、財産の換価、決算報告の作成、登記の申請が加わります。不動産の売却や売掛金の回収が長引くと、その分だけ清算の結了も延びます。
Q. 会社清算の費用はいくらかかりますか?
A. 法定費用として、解散の登記3万円と清算人選任の登記9千円(あわせて3万9千円)、清算結了の登記2千円がかかります(法務局の登記申請書様式)。官報の解散公告は会社の公告が1行あたり税込3,947円で、行数に応じて決まります。司法書士や税理士に依頼する場合の報酬は事務所ごとに異なるため、見積もりで確認してください。
Q. 債務超過の会社は通常清算できますか?
A. 通常清算は、会社の財産で全ての債務を弁済できることが前提です。通常清算を進めている株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は特別清算開始の申立てをしなければなりません(会社法511条2項)。財産が債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、直ちに破産手続開始の申立てをしなければなりません(同法484条1項)。特別清算の開始が命じられた後は破産手続開始の申立てができなくなるなど、別の規律で進みます(同法515条1項)。どちらで進めるかは、疑いに気づいた時点で弁護士と相談してください。
Q. 清算結了までに必要な登記は何ですか?
A. 2回です。1回目は解散と清算人の登記です。解散の登記は解散の日から2週間以内(会社法926条)、株主総会で選任した清算人の登記は選任から2週間以内(同法928条3項)で、解散決議と同じ日に選任すれば期限は同じ日になります。2回目は清算結了の登記で、株主総会が決算報告を承認した日から2週間以内に行います(同法929条1号)。登録免許税はそれぞれ3万9千円と2千円です。
Q. 清算中の法人税申告はどうなりますか?
A. グループ通算制度を使っていない株式会社の場合、事業年度は解散の日で区切られ(法人税法14条1項1号)、その翌日からは1年ごとの清算事務年度が事業年度になります(会社法494条1項、法人税基本通達1-2-9)。各事業年度の申告期限は、事業年度終了の日の翌日から原則2か月以内です(法人税法74条1項)。残余財産が確定した事業年度はその確定の日で終わり(同法14条1項5号)、申告期限は確定の日の翌日から1か月以内です。その1か月の間に残余財産の最後の分配をするときは、分配の日の前日までに申告します(同法74条2項)。

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